哀しみよりも、怒りを感じてしまいました。
★『スワンソング』/大崎善生

哀しみのラブストーリーということでしたが、ラストまで一滴たりとも泪を零すことがないという感性の持ち主の私です。
哀しみというより苦しみが多く、その苦しさに辟易し、読み手である私までだんだんと気が滅入ってくるものがありました。

一人の男が結婚秒読みとまでいった彼女と別れ、別の女性との交際をする。
文章にするとたった一行のそれだけのことがどうしてこんなに大変なことになってしまうのか。
確かに一つの恋を始めることよりも、終りにすることの方が格段に難しいことだと思う。
終わりにすることの方が精神の消耗も激しいし。
けれど、乗り越えられないものでないはないでしょう。
ましてや、死ぬほどのことでもないでしょう。

けれど、この小説…結婚すると思っていた男が自分から離れていったことで、由香という女は自殺。
そして、男が新たに付き合いを始めた由布子という女性は、由香の自殺によって自らを責め、精神を病む。
自殺する由香も気に入らないけれど、自己憐憫のような由布子も気に入らない。
何って、この男、いかんでしょ。

読み終わったときに心に派生していたのは、怒りでした。

11/12 15:20 |  | CM:0 | TB:0
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