アイロニーとウィットの共演
★『さよなら、そしてこんにちは』/荻原浩

短編が7編収めれてます。

「さよなら、そしてこんにちは」
葬儀屋という商売を担う主人公。
人の死と生という局面を重くもなく軽くもなく絶妙なバランスで描き出してくれてます。

「ビューティフルライフ」
父はリストラ、息子は不登校、母はメルヘン、娘は携帯命。
そんな一家が空を求めて、心機一転、ど田舎へ。

「スーパーマンの憂鬱」
毎日のようにテレビで紹介される「○○には○○が効く!」という情報。
スーパーマーケット食品課非生鮮係長は情報に翻弄されっぱなし。
やだやだやだやだ…尻文字もやむ終えないような気がします。

「美獣戦隊ナイトレンジャー」
ママは、ブルーナナイトより、レッドナイトより、パパより、おばあちゃんより強いのだ。

「寿し辰のいちばん長い日」
妻の収入あって潰れずにあるといっても過言ではない寿し辰。
そんな寿し辰にグルメ評論家が!?
炸裂するギャグに思わず笑う。

「スローライフ」
スローライフ評論家が過労というオチがなんとも。

「長福寺のメリークリスマス」
可愛い娘の前では坊主も煩悩もないです。
“坊主もメリーでなければ。祝いごとは多いほうがいい。”

どれもこれも痛いところ突いています。
だけれども、突きっぱなしではなくて、笑いに変えてしまうことなどでフォローに転じた感じが読後感を良くするんだと思います。
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