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日常生活でのできごとや思ったこと。
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★『月食の日』(文學界5月号)/木村紅美
こちらも芥川賞候補作。 つい最近読んだ『恋人たち』でも視力を失った女性が描かれていたけれど、この作品の主人公となっている男性もそう。 そして、どちらにも彼らがみる夢(寝ている時にみるもの)とはどんなものなのかという話がありました。 彼らも夢をみる。 『恋人たち』で描かれた女性は成人する頃までは健常者として生きていたので色彩や風景というものの記憶があるようだったけれど、この作品の男性については物心つく前に視力を失っているため夢の中でも何か見えてるってことはないと…。 彼がみる夢について想像をめぐらしてみたけれど、まったくどんなものなのか想像できなかった。 場面・背景の唐突の変移にあっけにとられ、読みにくさを感じましたが、節々の描写は繊細で淡々とした印象。 読み始めた時、ラストには感動的だったり奇跡的なことが起こるのかもしれないと期待交じりで読んでいたけれど、途中からそういう類のものではないことがだんだんわかってきた。 読み終えた時、確かに「え、これで終わり?」と思ったけれど、その劇的でないところが力強いところなのかもしれない。 目が見えるか見えないかということで事象に対しての感覚の相違は確かにある。 けれど、どうであれ日常というのは誰にでもあって、そこで必要となる生活力持ち合わせているというのは逞しくて健全で力強いことだと私は思う。 誰に頼まれたわけでもないし、仕向けられたわけでもないのに自ら勝手に色々と煩わしい感情を派生させ、悶々と陰鬱になっては沈み、浮上することもなく、苛々とやり場のない焦燥感に苛まれ、情緒不安定振りに疲弊している今日この頃。
気がつけば、第139回芥川賞・直木賞の候補作品が先日発表になりました。 気分のすぐれなさは読書傾向にも顕れるのか一冊の本を読み終える前に別の本を読み始めたりと読み散らかしている近頃ですが、いちおう芥川賞候補作を読むことに。 ★『婚礼、葬礼、その他』(文學界3月号)/津村記久子 わらわらとテンポよく展開していき、小気味よく終わるストーリーでした。 予定していた旅行をキャンセルして出席した友人の結婚式の最中に飛び込んできた上司の親の葬儀の知らせ。 頼まれていた結婚式のスピーチも二次会の幹事も頼りない後輩に託して、お通夜へと駆けつける主人公ヨシノ。 面識もない故人の遺影とどんよりとにらめっこするヨシノの心中を去来する思いは滑稽でいて理。 儀式にあたっての人の心理やそこへ召喚されることの面白味やしがらみを存分に味わえる作品でした。 |
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