|
日常生活でのできごとや思ったこと。
|
|
|
★『女の庭』/鹿島田真希
今作品は、140回芥川賞の候補作品。 これまでも何度か芥川賞の候補になっている作家さんなので、その都度読んできたけれど、一向に馴染めず、苦手。 標題作『女の庭』は、“主婦”という括りの生活を凡庸に過ごすことに腐心してきたような主婦が、隣家に移り住んできた女の存在に興味を暴発させたような作品。 作中に“独身時代に、穏やかだと思って私を魅了した夫は、堕落した主婦を製造する装置だった”という一節があるのですが、それを読んでいて堕落させてくれるだけの甲斐性がある夫ならいいじゃないと私は思ってしまったのですよね…。 そもそも、家事やら井戸端会議やらいわゆる「家のこと」をやるのは堕落じゃないじゃーんって思うのよ。そういうの仕事よりも私は億劫かもしれない。 さて、途中まではなんとなくついていけていた今作品ですが、暴発した感じになってからは字を追うことに精一杯になり、読み終えた時には何が起こったのかよくわからないといった状態でした。 それにもましてわからなかったのが、併録されている『嫁入り前』。 母親にうんこを盗まれるって一体どういうことなんでしょうか。 この作家の世界観が一向に理解できない自分は、ひょっとすると読書をするに価しない程度の人間なのか?とか思えてきます。 ★『走れ、ビスコ』/中場利一
人に好きな作家はと尋ねられても、伏せているのだけれど・・・( ̄ー ̄)ニヤリッ わが心の作家! 久しぶりです。あー、面白かったよぉ。 こうやってビスコみたいに泣きながらも懸命に頑張って、しかも楽しんで仕事をしている人が成果を出して、評価を受けていくというのはとても健全で気持ちがいい。 尾藤さんの非人情的な言動は、ビスコの健全さを前には発揮されないしね。 なにはともあれ、中場利一の描く世界に、彼の描く人物に、私はいつも気持ちをほくりとさせられるのです。 ★『ベイビィ、ワンモアタイム』/南綾子
前作『ほしいあいたいすきいれて』で初めて知って、気になっていた作家さん。 (気になるよね?このタイトルは。) この前作、残念ながら私が利用している図書館では所蔵してなくて、読めず仕舞いのまま。 ところが、今作品は所蔵していて読むことができました。(買えばいいんだけどね…) 温子という主人公の病的に屈折した人間性、その質を持って築かれた歪んだ人間関係が痛々しい。 痛々しいなぁと思うけれど、憐憫には至らず、面白いと感じ読みすすめてゆける自分は、あざとくて悪趣味なのかもしれないと思う。 そして、そう思って、ヒヤッとした。 この作家さん、新潮社の「女による女のための『R-18』文学賞」の大賞を2005年に受賞しているですね。 1981年生まれかぁ…。 前作もやっぱり読んでみたいな。 ★『ぼくたちはきっとすごい大人になる』/有吉玉青
「イン ザ ベイスメント」「悪い友だち」「一心同体」「シュルッセル」「ママンの恋人」「ぼくたちはきっとすごい大人になる」の短編6編。 全体的にちょっと創り込み過ぎている感じがしないでもない。 特に「ママンの恋人」は、“ママン”とか“おじさま”とか“アム”とか…やりすぎかな。 子どもの感覚というのが失われてしまっているせいなのかもしれないけれど、私の子供時代とは別口の子ども、いわゆるイマドキの子という感じがして、共鳴とまでは至らず。 今時分にこの短編に出てくる年齢層の子たちならば共鳴できるのかもしれません。 ちなみに、この「ぼくたちはきっとすごい大人になる」というタイトルをとても好ましく思います。 きっとすごい大人になると思えるのは子ども役得みたいなものじゃないですか。 内容もなかなか良かったですし。 私たちに役得があるとするならば、「わたしたちはきっとすごい仏になる」とかですかね? |
|